掲載日:2015年6月29日 パルシステム生活協同組合連合会
「長期エネルギー需給見通し(案)」に対し政府へ意見省エネと自然エネ導入の積極的推進を
パルシステム連合会は6月26日(金)、政府が募集している「長期エネルギー需給見通し(案)」へのパブリックコメントに対し、意見を提出しました。自然エネルギーの導入拡大と省エネを進め、原発に依存しないエネルギーの需給構造を求めます。
政府の長期エネルギー需給見通し小委員会は6月2日(火)、2030年度のエネルギー需給構造見通しを発表し、パブリックコメントの募集を行っています。これを受けてパルシステム連合会は6月26日(金)、上田隆之資源エネルギー庁長官あてに意見を提出しました。
要求した項目は、以下の通りです。
- 自然エネルギーは、2030年に少なくとも30%以上を目指すべきです
- 省エネルギーは、少なくとも20%以上を目指すべきです
- 原発への依存はなくしていくべきです
- 地球温暖化対策に逆行する石炭火力は減らすべきです
パルシステムは、「協同の力」で生活者がエネルギーを選択できる社会を実現するため「エネルギー政策」を制定し、エネルギーの使用を「減らす」、原発を「止める」、自然エネルギーへ「切り替える」活動を進めています。
【関連リンク】
パルシステムのエネルギー政策
2015年6月26日
資源エネルギー庁
長官 上田 隆之殿
「長期エネルギー需給見通し(案)」についての意見
パルシステム生活協同組合連合会
代表理事 理事長 石田 敦史
1.自然エネルギーは、2030年に少なくとも30%以上を目指すべきです
- (1)多くの先進国が2030年には40%以上の自然エネルギーを目標にしています。日本でも、少なくとも30%以上とすべきです。
- (2)自然エネルギーは、国際的には安価になっています。日本でも大量の普及を可能にして、安価な自然エネルギーのメリットをいかすべきです。
- (3)地域主体の分散型エネルギーである自然エネルギーを拡大すべきです。
- (4)いまこそ安全、平和、低炭素のエネルギーである自然エネルギーを推進すべきです。
- (5)自然エネルギーを増やして海外からの燃料輸入を減らし、その経済効果によって国と地域を豊かにすべきです。
2.省エネルギーは、少なくとも20%以上を目指すべきです
- (1)日本の電力消費量は、震災後に既に8%減少しました。2030年までに少なくとも20%以上の省エネをめざすべきです。
- (2)過去20年あまり、日本の省エネ政策は停滞してきました。欧米以上の政策を策定し、実行すべきです。
3.原発への依存はなくしていくべきです
- (1)省エネの促進、自然エネルギーの拡大、天然ガス発電とコージェネレーションを推進すれば、2030年に原発を動かす必要はありません。原発への依存はなくしていくべきです。
- (2)2030年に原発の割合を20%以上にするためには、多くの老朽原発の運転を延長させる必要があり、事故リスクを高めます。原発への依存はなくしていくべきです。
- (3)震災後の電気料金の上昇は原発の停止が主因ではありません。原発がない沖縄電力も同じように料金が上がっています。
- (4)日本での原発の新増設、リプレースには国民的な合意が得られません。強引に運転延長をしても原発で供給できる電力はどんどん減っていきます。早期に原発依存から脱却すべきです。
4.地球温暖化対策に逆行する石炭火力は減らすべきです
- (1)石炭火力発電は、最新型でも二酸化炭素排出量が、天然ガス発電の2倍です。石炭火力の増強はやめるべきです。
以上 |