パルシステム電力通信No,2
発電産地紹介
パルシステムの『生しいたけ(原木栽培)』を生産する、JAつくば市谷田部産直部会の生産者のひとり、高橋恭嗣さん(高橋農園)は、東日本大震災を経て、発電事業にも取り組むようになった“しいたけ屋さん”です。
コナラやクヌギを使った「ほだ木」(しいたけの菌を植え付け育てる住処)が立ち並ぶ建屋の屋根には、太陽の日差しに光る太陽光パネルがびっしり。
「しいたけ栽培には、強い日差しを遮り、風通しのよい、適度な湿度が保たれた森のような環境が適しているんです。
しいたけづくりと発電は、実は相性がよいんですね」と高橋さん。
福島第一原発の事故による放射能汚染は、高橋さんたちしいたけ農家を苦境に立たせましたが、それから12年、農家仲間やパルシステム、そして多くの組合員の協力のもと、徹底した検査の成果もあり、いまでは安全で安心な、歯ごたえよい豊かな風味のしいたけを、電気とともに作り続けています。
代表の高橋さんはソーラーシェアリングにも果敢に挑戦するだけでなく、「しいたけ栽培使用済みホダ木」を利用して大気中のCO2を削減する取組み(CCUS※2)にも挑戦しています。これからも地球温暖化削減に向け、目が離せない産地となっています。
発電所名:古河太陽光発電所
契約発電量:39.6kWh
所在地:茨城県古河市
発電所名:鉾田太陽光発電所
契約発電量:29.7kWh
所在地:茨城県鉾田市
発電所名:つくば太陽光発電所
契約発電量:49.5kWh
所在地:茨城県つくば市
※1 ソーラーシェアリングとは?
農地の上に太陽光パネルを設置して、太陽光発電を行い下で作物を生産することで発電と農業生産とで共有する取組をいいます。
営農を続けながら、農地の上部空間を有効活用することにより電気を得ることができますので、農業経営をサポートするというメリットがあります。
※2 CCUSとは?
「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、二酸化炭素を分離・回収し、資源として有効利用したり、地下の安定した地層の中に貯留したりする技術のことをいいます。地球温暖化への対策に必要な、CO2の削減方法のひとつとして注目が集まっています。
※3 太陽光発電とは?
太陽光発電は、光エネルギーから直接電気を作る太陽電池を利用した発電方式です。太陽電池は、プラスを帯びやすいP型シリコン半導体とマイナスを帯びやすいN型シリコン半導体を張り合わせてあります。
この2つの半導体の境目に光エネルギーが加わると、P型シリコン半導体はプラスになり、N型シリコン半導体はマイナスになりますので、プラス端子とマイナス端子を持った太陽電池ができ上がります。光エネルギーがあたり続ければ電気は発生し続けます。太陽の光はたくさん使っても枯渇しないため、再生可能エネルギーの1つとされます。
取材協力=高橋農園
構成・文=パルシステム電力