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![]() 「パルシステムの商品カタログは、すべてのページ、すべてのコーナーが食育の視点でつくられています」と話すのは商品企画部の栗田典子部長。 「3媒体づくりの基本は、まさに“くらし課題解決”です。それぞれの商品カタログで対象とする組合員さんたちが、毎日の『食』に関してどんな困り事があり、どんなことがうれしいのか。それを徹底的に探り、組合員さんのくらしに寄り添っていこうとした結果、食育の視点になっていたのです」(栗田部長、以下同)。例えば『YUMYUM』では、巻頭の丸ごと1ページを使った「わが家の定番」と題したレシピを連載しています。『YUMYUM』を立ち上げる当初、内部では利用者層は包丁もまな板もないのではないかと言われていたのですが、組合員さんの声を集めるうちに気づいたのが「面倒くさくて手作りをしない」のではなく、経験や技術の不足から自信が持てず、したくても「できない」でいるということだったとか。ならばその自信不足を解消してあげよう、と生まれた施策のひとつがこの大胆なレシピ提案だったのです。 最近の組合員ヒアリングでは、『YUMYUM』利用者のなかで、素材からの料理にチャレンジする人が確実に増えているという実感を持っているそうです。。 ![]() ![]() ▲『YUMYUM』の世代にもっとも支持されている企画。成島昭夫監修
食育を「農から食へのいのちのつながり」と言う栗田部長は、パルシステムの強みは、事業のベースに産直があったからといいます。現在、国が食育の推進として力を入れて進めているものに『食事バランスガイド』の普及があります。これももちろん大切なことですが、このガイドだけでは「食べものの成り立ち、いのちのつながりまでは見えてこない」と言います。
「たとえば、本来あってはならないことですが、今日届いたレタスにとろけがあったとします。その時に、『そういえば前日まで雨だったよね』ということを想像することができるかどうか。お金を出せば食べたいものを食べたいときに手に入れることができるいまは、便利と言えば便利ですが、その中で奪われてきたものはとても大きいのではないか」。 「つくる」現場と食卓とが分断されてきた中で、畑や田んぼと食卓を結ぶことができるのが産直ではないか、と栗田部長は話します。 ![]() 商品カタログだけではなく、パルシステムの商品づくりも食育の視点で組み立てられています。栗田部長は、パルシステム商品を例に話してくれました。 これに対し、昨年の11月に発売した『産直野菜で作った白菜漬』は、白菜に、食塩、砂糖、米酢、昆布、唐辛子といったとてもシンプルな原料で作っています。 「当然、お届け日から味が刻々と変わっていきます。だんだんと味がしっかりとしてきて最後はすっぱくなります。そこで、『食べごろ表示』をしました。さっぱりめが好みなら早めに、しっかりめが好みなら少々置いてから食べてください、と。食べものはいつも同じ状態ではありません。食べる側もそのことを理解して、折り合いをつけて受け入れることが大切。そんな視点を入れて作った商品です」。 おなじみの『江戸前あさり(冷凍)』には、伝統的な「腰巻き漁」であさりを獲る漁師の姿をパッケージに描きました。市販されているあさりの3分の2以上は中国などからの輸入品というなか、この商品は東京湾産のあさりを使用しており、原料はパッケージに描かれているような「腰巻き漁」で獲られています。 ![]() ![]() ▲商品のパッケージからも物語がうかがえる
「食べものの背景にある物語」を知るための最良の方法、それは「自ら作ることに尽きる」という栗田部長。パルシステムが毎年提案している「梅干し」や「味噌」などの保存食づくりがその象徴といえます。
「かといって“手作りしなければいけない”なんて頭ごなしに言っても誰もついてきてくれません。大切なのは“手作りしてみたら楽しかった!”という体験なんです」。 ひとりでも多くの人に、とにかく実践をしてほしいという思いから毎年開催している「手作り梅干し電話相談」も今年は6年目。 パルシステムでは、これからも商品や商品カタログを通じて、一人ひとりのくらしに寄り添った、体験型の食育を展開していきます。 |
*本ページの内容は2007年8月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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