第113回 パルシステムのリソースを活かし、地域の居場所づくりをサポートしています

家族連れでにぎわう川崎市の「めさみーる+」。
▲家族連れでにぎわう川崎市の「めさみーる+」。

パルシステムでは、組合員に対して安全で安心できる食品や日用品、サービスを提供する一方で、地域が抱えるさまざまな課題に寄り添い、誰もが孤立せずに自分らしくいきいきと暮らせる社会づくりにも取り組んでいます。子どもの6人にひとりが相対的貧困といわれている昨今、その支援に取り組む市民団体やNPO法人などと連携し、配送センターの活用や食材提供などリソースを活用し、地域の人々の居場所づくりに取り組む活動事例をご紹介します。

大きなテーブルで自然に会話が生まれる地域食堂。「めさみーる+」
(パルシステム神奈川ゆめコープ)

パルシステム神奈川ゆめコープが立ちあげた、NPO法人セカンドリーグ神奈川(※)は、「子ども食堂や生活困窮者支援を行う地域団体への協力」を事業方針に掲げています。例えば、NPO法人ぐらす・かわさきが月1回開催する地域食堂「めさみーる+(プラス)」に、大人用と子ども用の2種のカレールーとお米を届けています。

「おいしくて安心なパルシステムの食材を、必要としている場所に届けられることに意義を感じています」と語るのは、セカンドリーグ神奈川事務局長・青柳直子さんです。

「めさみーる+」がスタートしたのは、昨年の4月。セカンドリーグ神奈川が、川崎地区で社会貢献活動に携わるメンバーを集め、「子どもを取り巻く社会問題」について話し合ったワークショップがきっかけでした。

「経済的な貧困だけでなく、困っていても助けてと言えない、大人の顔色をいつもうかがってしまうといった“心の貧困”が課題にあがりました。そこで、食を通して自然に関わりが生まれるような食堂をやろう、となったのです」(青柳さん)。

あえて「子ども食堂」とは名付けず、大人は300円、18歳以下の子どもと65歳以上のシニアは100円で、予約なしで「ふらっと」立ち寄れるシステムに。利用者は、子連れのママやひとり暮らしの高齢者、高校生など多岐にわたります。

「大きなテーブルとカウンターだけですから、相席になって、自然に会話が生まれます。みんなで食べるという感じがいいんですよ」(青柳さん)。

子どもがひとりでも安心して食べに来る場に。「たつみこども食堂」
(パルシステム東京)

▲みなみすなこども食堂のある日のメニュー。

パルシステム東京が、「たすけあい活動助成基金」を利用して支援するのが、江東区辰巳団地で9月にスタートした「たつみこども食堂」。運営するのは、南砂町のコミュニティカフェで、「みなみすなこども食堂」を開いているボランティアの人たちです。

パルシステム東京が食材提供し、月2回実施されている「みなみすなこども食堂」は、子どもだけでなく高齢者も含め、毎回50名以上が参加。おおぜいでにぎやかに食卓を囲み、多世代が気軽に交流する場として、地域の中にすっかり根づいています。

「この活動のなかから新たな課題として見えてきたのが、経済的に、また家族との関わりにおいて本当に支援が必要な子どもへのよりきめ細かな対応の必要性でした。そこで、自治会や学校関係者、民生委員などにも相談のうえ、辰巳団地内のパルシステム東京の施設でこども食堂を開くことになったのです」(パルシステム東京地域支援課・山田職員)。

「たつみこども食堂」が目指すのは、さまざまな困難を抱える子どもが、安心して食べ、過ごすことができる場づくり。利用は登録制で、近隣の小学校を通じて支援が必要と思われる子どもに直接案内を届けるしくみです。

「貧困や格差、社会的弱者の問題が大きくなるなか、居場所は地域の大事なインフラです。長い目で考えれば、こうした活動もパルシステム東京への理解を進め、存在を認知していただくことにつながるのではないでしょうか」(山田職員)。

多世代が交流する地域のプラットホームに。「居場所・縁が輪」
(パルシステム群馬)

▲「縁が輪」のイベントのようす。高齢者や親子連れでにぎわってます。

3つめの事例は、パルシステム群馬の組合員活動として渋川センター敷地内のスペースで2013年から継続している「居場所・縁が輪」です。

流しそうめん、クリスマスパーティー、もちつき、歌声カフェなどイベントが設定されている日と、自由におしゃべりしたりお茶を飲んだりするフリーの日の2本立てで月2回開催。高齢者や親子連れなど、さまざまな世代が交流するふれあいの場になっています。

「『家ではひとりでゲームばかりしているのに、ここでは自然にみんなといっしょに遊んだり、おじいちゃん、おばあちゃんと話したりしている』とびっくりしているお母さんもいました」(パルシステム群馬常任理事・林百恵さん)。

オープンにあたっては、組合員にも呼びかけて「まちの縁が輪プロジェクト」を発足。センターの中で長い間使っていなかったスペースを、組合員、役員などプロジェクトメンバーが自分たちの手でリフォームし、椅子やテーブル、食器類も、組合員からの提供品でまかないました。

「高齢化率が県平均の4倍という渋川市で、これからとくに懸念されるのは高齢者の孤立です。行政などとも密に連携し、『縁が輪』を誰もが気軽に集える地域のプラットホームにしていきたいですね」(林常任理事)。

人と人とのつながりが希薄になっている今の時代、誰にとっても決して無縁ではない貧困や孤立の問題。この3つの事例のように、「ひとりではない」と実感し合える場の存在が、地域の中でこれからますます重要となるでしょう。

気になる活動があったら、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

※セカンドリーグ神奈川/パルシステム神奈川ゆめコープが、子育て課題の解決に取り組む人びとや団体を支援するために2012年10月に立ち上げた中間支援組織。

*本ページの内容は2017年10月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。

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