パルシステムの考える「エシカル」

地域や世界の課題解決に向け、一人ひとりが主体的に選択する。

生産と消費のあり方を双方向で模索してきました

1970年代の創立期から、パルシステムは商品原料の生産過程や加工のプロセス、そして容器包材の資源循環などの情報を、組合員と共有することに努めてきました。それは、資源循環型の持続可能な生産のあり方、与えられたものを一方的に受け取るだけではない消費のあり方、ひいては、誰もが自分らしくいきいきとくらせる社会のあり方を、ともに考えていくためです。

最近、注目されている「エシカル」は、まさにこうしたパルシステムの事業活動に合致する概念です。「倫理的消費(エシカル消費)とは、商品のライフサイクルを可視化し、社会や環境に対する負担や影響を自覚しながら商品・サービスを積極的に選択すること」――消費者庁に設置された『「倫理的消費」調査研究会』の取りまとめの要旨ですが、パルシステムがめざす事業と極めて合致しています。

“選ぶで変わる”「ほんもの実感!」くらしづくりアクション

とりわけ「エシカル」を具現化しているとも言えるのが、2014年にスタートした「ほんもの実感!」くらしづくりアクションです。「選ぶで変わる」をキャッチフレーズとするこの運動は、組合員に対し、その商品の社会的あるいは環境面における価値をしっかり理解したうえでの“主体的な”商品選びを呼びかけるものです。この取り組みは社会的にも高い評価を受け、2017年には第1回「ジャパンSDGsアワード」でSDGs推進副本部長(官房長官)賞を受賞しました。

一人ひとりが理解して買うことで、世界は変わると信じます

現在の日本では、世界中の商品が居ながらにして簡単便利に手に入る一方で、一人ひとりのくらしが分断され、社会の中で多くの人々が孤立しています。誰もが生きていくうえで必要な「商品」の向こうには、その原料を生産し、加工し、流通させ、産地や地域を作っている人たちがいます。自らの「くらし」は、この人と人とのつながりの中にあり、自らの「消費」は、このつながりをより豊かなものとし、社会や環境をよりよくしていくことにもつながっているのです。

今こそ私たちに求められるのは、社会や世界の課題に“自分ごと”として向き合おうとする真摯な姿勢と、課題解決のための主体的な選択です。一人ひとりが理解して買うことで、社会は必ず変わります。小さな力も集まれば社会を変える大きな力となります。
それが、パルシステムが考える「エシカル」であり、一人ひとりの力を束ね、分断されがちな関係をつなぐ役割こそが、パルシステムに課せられた使命だと考えています。

パルシステムの4つの事業は、エシカルそのもの

私たちパルシステムは、生協の原点である「人と人との助け合い」を進化させ、より多くの人々に貢献できる事業をめざしています。4つの事業の根底に共通してあるのは、「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」というパルシステムの理念。商品供給に限らず、各事業を通して、私たち自身が選び、参加することで、誰一人として孤立したり取り残されたりすることのない、つながり豊かな地域社会をつくっていくことをめざします。

商品供給事業

生産過程における社会的・環境的な影響に配慮した商品開発を進めるとともに、その商品の成り立ちをまずは職員自らが理解し、共感した商品の背景や思いを含めた情報を組合員にしっかり伝えることに努めています。

共済・保険事業

人々が抱えているくらしの課題が何であるのかを共有し、困っている仲間のためにも組合員がお金を出し合いながらサービスを充実させていく。パルシステムは、価格やサービス内容だけではないエシカルな視点で共済・保険事業も運営しています。

電力事業

電力自由化に伴い、新たな産業として再生可能エネルギーに挑戦する産直産地や地域と連携し、電気の小売業をスタート。原子力に頼らず、温暖化を防ぐ「エシカル」な選択を可能にしました。

総合福祉事業

高齢者に限らず、子どもや障がいのある人への視点も大事にした事業の運営をめざすとともに、パルシステムグループだけでなく、地域の個人や団体、行政などが連携・協働することで「地域包括ケアシステム」の構築をめざします。

 

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