パルシステム神奈川ゆめコープのご案内 環境への取り組み


生物多様性を身近に感じられるよう、親子で“いきもの”と親しむ実践例をご紹介します。

 


カタバミ(片喰)
カタバミ科カタバミ属の多年草

駆除に苦労する植物として有名なカタバミ。その背景には、都市部に適応した進化と、自然界で生き残れる独自の生態を備えています。普段、気にも留めない植物かもしれませんが、その生態を知ることで、見方が変わるかもしれません。
とかく、クローバー(シロツメクサ)と間違われることが多い植物です。
クローバーの葉は、丸型ですが、カタバミの葉は、ハート型なので容易に区別ができます。よく似ている植物ですが、まったくもって別の種類。親戚関係でもありません。環境適応性が非常に強く、生息域は、クローバーよりも遙かに広大です。
《どりーむぺいじ 2010年7月号掲載》
これは、シロツメクサ(クローバー)。丸い葉に、白いV字の線がある。ちなみに、シロツメクサは外来種です。 これが、カタバミ。ハート型の葉が特徴。イラストなどでは、この形をクローバーと称して描く場合も多い。


10円玉がキレイになる
 
葉っぱを10円玉の上において、指でこすってごらん

 …ゴシゴシ…  あっ、ピカピカになったよ

カタバミの葉には、シュウ酸という成分がかなり多く含まれている。これが10円玉をピカピカにしている成分だ。この成分は、漂白剤にも使われることがある。元々、科学者がカタバミから発見した成分でもある。
シュウ酸という成分、実は、多くのいきものにとって、毒なんだ。自然界では、一部の虫を除き、この葉を食べない。シュウ酸は、野菜のホウレンソウにも含まれている。ホウレンソウを食べるとき、必ず茹でてから食べるのは、この成分を抜くためなんだよ。

こんな植物でも、生態系が存在し、カタバミを食べる生き物がいる。それが、「ヤマトシジミ」 (蝶)だ。この幼虫が、カタバミを専門に食べるのだ。
逆に言うと、カタバミの生えない場所に、ヤマトシジミはいない。特に、ヤマトシジミは、成虫になった後でも行動範囲が狭いので、共生(生態系)という点では、うまく機能しているのだ。



夜は寝る
 あれ、さっき元気だった葉っぱがしおれているよ、どうしちゃったのかなぁ
 
 カタバミは、夜になると寝るのよ


カタバミは、日中、3枚の葉を広げて太陽の光を全面で受けているが、夕暮れになると、葉を畳んで寝るのだ。
これは「就眠運動」と言って、花ではよく見られる生態だ。

葉を畳んだ姿が「葉が一方だけ食べられて欠けてしまっている」ということで、「片喰」という名前がついたと言われている。葉を畳む理由は明らかになっていないが、夜間の水分蒸発の抑制といわれている。


四つ葉は、幸せを呼ぶ
 あら、何を探しているの
 四つ葉のカタバミを探しているんだ。四つ葉のクローバーは、この前、見つけたから
 なかなか難しいかもね。クローバーのようには見つからないのよ

四つ葉のクローバーが幸せを呼ぶという話をよく聞く。その理由は、希少性だ。
クローバーは、普通の状態では、四つ葉にはならない。四つ葉になる要因は、いろいろあるようだが、その多くは、虫に葉を食べられたとか、葉がちぎれ再生したとか、外的要因や突然変異というケースが多い。

カタバミも、クローバー同様、普通は三つ葉なので、四つ葉となる可能性はある。(実際に存在する)
しかし、カタバミは、環境適応性がクローバーよりも高いため、ちょっとやそっとでは、四つ葉に変異しない。
もし、四つ葉のカタバミを見つけることができたら、クローバーをはるかに超えた希少価値がある。こちらの方が、クローバーよりも幸せを運んでくれるかもしれない。葉の形もハート型だし。


強く赤い進化系

 このカタバミ、赤くなっちゃっているよ。枯れているのかな

 それは、アカカタバミという種類よ

カタバミの中には、葉が赤いものがある。たぶん、見たことあるのではないだろうか。
街中では、決して珍しいものではなく、道路の路肩などでは普通に見られる。

このカタバミは、「アカカタバミ」という種類だが、普通の緑色のカタバミから突然変異で誕生した変種として扱われている。
生態としては、緑色のカタバミよりも、自動車の排気ガスや外部刺激に強く、都市型植物といわれている。そのため、生命力が極めて強いのだ。カタバミの強化進化系と言ってもいいかもしれない。
カタバミは、環境適応性が植物の中でもかなり強い種類なのだ。