千鶴子かあちゃん産地だより

結婚したのが10月。それからすぐにみかんの収穫が始まったので、だいたいの収入がわかるんやけど、「えーっ、こんだけ? 生活できる?」というのが最初の印象だったです。また両親からは、「これからは家計はあんたらに任せるから」と言われ、収入になるのはみかんだけだったんで頭が真っ白になりました。30年くらい前ですが、みかんてこんなに安いん! こんだけでみんな食べていけるの?と思いました。でもそれだからよけい、収穫では傷つけないよう、一つひとつ大事にていねいに扱うように言われたことが「なるほど」と思いました。実家は商売もしていたし、そこまで気を遣って作業したことはなかったけど、そうか、このみかんで私ら1年間食べていくんやなあ、そうか、大事に扱わんとなぁと思いました。
最初は家族4人でみかんづくりをしていましたが、父母も年齢とともに作業がきつくなり、畑を減らして、主人が外へ働きに行くようになりました。それは現在まで続いてます。だからふだんは、みかんしてるのは私だけなんよ。でもそれにあたっては主人に、剪定や摘果、消毒などで忙しい時期は手伝うという条件を出し、いまのところはその言いつけ!?を守ってくれてます(笑)。それがなくって、また、さんまるとのつながりやパルシステムさんとの取り引きがなかったら、もうとっくにやめてると思うわ(笑)。
12月がいちばん忙しい時期。収穫や出荷で大変です。言うたら季節労働者やねえ。みかんは自然相手なので、毎年おんなじものはできません。大玉、小玉、きれいな物、汚い物、全部ひっくるめて、1年かけてできたみかんです。できるだけの手をかけても、その年の天候やらで出来具合が違うので、私らも毎年、今年はどうかってドキドキして収穫を迎えるんです。だから、組合員さんから「おいしかった」という声を聞くと、ほんとうれしいです。エコ・チャレンジ栽培では、どうしてもみかんの肌が汚くなってしまうのがつらいとこで、味には影響しないんだけど、やっぱりきれいなみかんを作りたいという思いはあるからね。
今年は、パルシステムの組合員さんからたくさんご注文いただき、正月元日から出荷作業やったんです。この景気の悪いときにうれしい悲鳴やわ~と、さんまるのみんなで喜んでました。ありがとうございました。
私は元気だけが取り得で、人の風邪がぜったいうつらないんよ(笑)。みかんも一人では大変なんやけど、自分のペースでやれるから、ぼちぼちやってます。年齢とともに体力も衰え、コンテナ5段積むのがきつくなってきたんだけど、おいしいと言って下さる組合員さんの声をエネルギーにがんばりますので、これからもよろしくお願いします。
〈産地紹介〉
年間平均気温15~16℃で、柑橘類の適地として歴史がある。ただ、夏灌水が必要な時の水源がないこと、秋の台風が心配な地域。温州みかんのほかに、中晩柑橘類を栽培し、夏に現金収入がないが、労力面でほかの作物栽培は現状では難しい。少人数ながらまとまりの良いのが特徴で、パルシステムとの取り引きは30余年。無農薬で作るのを理想としているが、なかなか壁は厚く、それでもなるべく毒性の低いものを使用回数を少なくし、「エコ・チャレンジ」で栽培。また、農業の基本は土にあると考え土作りも重視している。
