「エネルギー基本計画に対する意見」へパブリックコメントを提出 国民的議論のないままの策定は拙速です

2013年12月27日

パルシステム共済連とパルシステム連合会は12月27日(金)、政府の「エネルギー基本計画に対する意見」に対し国民からの意見募集(パブリックコメント)へ意見を提出しました。エネルギー基本計画の国民的議論に基づく策定や原子力発電からの脱却などを求めました。

政府の「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は12月6日(金)、「エネルギー基本計画に対する意見」をとりまとめ、国民からの意見募集(パブリックコメント)を開始しました。パブリックコメントは、国の行政機関などが新たな政策や規則などを定める際に、国民から広く意見を募集する手続きのことです。

これを受け、パルシステム共済連とパルシステム連合会は連名で12月27日(金)、エネルギー基本計画の国民的議論に基づく策定や、原子力発電からの脱却などを求める意見を提出しました。要旨は以下の通りです。

【要旨】

1.
本意見を撤回し、2012年夏と同様に国民的議論に基づき計画を作成すること。
2.
基本計画作成にあたっては以下の視点を活かすこと。
(1)
原発事故の反省・教訓に基づき、原子力発電からの脱却を明記すること。
(2)
原発施設、サービスの輸出をやめること。
(3)
核燃料サイクル計画を中止すること。
(4)
エネルギー需要の抑制・電力依存から脱却する政策を打ち出すこと。
(5)
温暖化防止には化石燃料依存からの脱却こそ必要であり、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー基本計画をつくること。

「エネルギー基本計画に対する意見」に対するパブリックコメント募集は、2014年1月6日(月)まで受け付けています。パルシステムでは、パブリックコメント募集を「意見や思いを政府に伝える大切な機会」ととらえ、1人ひとりそれぞれの立場による意見表明を、ホームページなどを通じて呼びかけています。

提出したパブリックコメント全文は以下の通りです。

資源エネルギー庁長官官房総合政策課 御中
2013年12月27日
パルシステム生活協同組合連合会
理事長 山本 伸司
パルシステム共済生活協同組合連合会
理事長 小沼 正昭
「エネルギー基本計画に対する意見」について

私たちパルシステムグループは「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」を基本理念として活動してきました。2012年にはパルシステムのエネルギー政策として「減らす」「止める」「切り替える」を制定し、「止める」については「速やかに脱原発を実現します」を掲げ、事業と運動を一体的に進めてまいりました。

このほど総合資源エネルギー調査会基本政策分科会がまとめた「エネルギー基本計画に対する意見」について、私たちの基本理念やエネルギー政策に照らし、以下の問題点を指摘いたします。

  • 「各エネルギー源の位置付け」で原子力をベース電源と位置づけ、原発再稼動を方針化しています。東京電力福島第一原発事故への真摯な反省に基づいているとは言いがたいと考えます。
  • そもそも国民参加の議論が不在のまま、新たなエネルギー基本計画が2014年1月の閣議決定で決められようとしており、あまりに拙速な動きです。
  • 温暖化防止には再生可能エネルギーや省エネルギーなどの施策強化が必要ですが、今回の本意見の記述では不十分だと考えます。

そこで以下のように意見を表明させていただきます。

1.
本意見を撤回し、2012年夏と同様に国民的議論に基づき計画を作成すること。
2.
基本計画作成にあたっては以下の視点を活かすこと。
(1)
原発事故の反省・教訓に基づき、原子力発電からの脱却を明記すること。
(2)
原発施設、サービスの輸出をやめること。
(3)
核燃料サイクル計画を中止すること。
(4)
エネルギー需要の抑制・電力依存から脱却する政策を打ち出すこと。
(5)
温暖化防止には化石燃料依存からの脱却こそ必要であり、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー基本計画をつくること。

以上をもって、「エネルギー基本計画に対する意見」へのパルシステム生活協同組合連合会及びパルシステム共済生活協同組合連合会の意見とさせていただきます。

以上