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生消協議会「食と農セミナー2002」が開かれました

2002年11月27日
生活協同組合連合会
首都圏コープ事業連合

 首都圏コープグループの生産者と生協、生協組合員で組織する、首都圏コープ生産者・消費者協議会(石澤直士代表幹事・参加115団体)主催による第3回「食と農セミナー2002」が25日、東京飯田橋の東京都消費生活総合センターで各地の生産者、生協組合員など80名が参加して開かれました。
 生消協議会の「食と農セミナー2002」は、農業問題への組合員リーダー育成プログラムとして取り組んでいるもので、第3回目の今回は「水を考える」をキーワードに、この間の産地における硝酸態窒素削減への取り組みの報告集会として開催されました。

 硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)は、まだ馴染みのない言葉ですが、自然界に存在し、生物のたんぱく合成にとって欠かせない窒素分が過剰になると毒性を持ち、硝酸塩は、人の体のなかでニトロソアミンを形成して発ガン物質となったり、糖尿病の原因となるフェモグロビンの働きを低下することが指摘されています。野菜などの生産では、化学肥料や堆肥を過剰に供給した場合、植物のたんぱく合成により、多くの窒素分が摂取され、東京都の分析データでも、葉物からかなりの高濃度の値が検出されています。

 集会では、硝酸態窒素の問題にお詳しい河野武平さん(非営利団体(アイ・アイ・エス・ジャパン)をお招きし、「水を考える〜健全な環境を求めて」と題して講演いただきました。
 河野さんは、水の恐さとして、胆嚢ガンや乳ガン、肝臓ガンの発生率について、農業地域や河川の下流域での事例にふれ、水中のカルシウムイオンの多いところに多いこと、今後、都市でのガン疾患の増加が予測され、河川の上流域だから安心ということではなく、水に対する社会的負担は上流域も下流域も同じであり、皆なが共有していると考える以外に水の問題は解決しないと述べました。
 また、今後の解決方法として、廃棄率の高い現在の野菜流通の仕方を変えるべきであり、収穫の仕方についても、硝酸イオン値で6000ppmから7000ppmといった値のものが平気で出回っている現在のような収穫時期は止めるべきであるとしました。
 今後、生産者はきちんとした生産、きちんとしたビタミンCや糖分を含むものを生産すべきであり、一方、消費者は値段にとらわれるのでなく、生産者のきちんとした栽培に対し消費者もきちんとした評価をすべきだと述べました。
 硝酸態窒素の問題は、トータルの「塩素」、「水」の問題、それに「農業」をしっかり考えるべきであり、環境という点から農業を改めて問い直すこと、農産物の安全も健全な環境があって守られるのであり、次の世代にいい環境を伝えていくためにも農業から変えていかなければならないと結びました。

 講演の後、産地での取り組み事例として、JA山武郡市の綿貫直樹さんより硝酸態窒素の測定について、株式会社ジーピーエス高橋宏通さんより、首都圏コープグループの産直産地における硝酸態窒素削減に向けた取り組みが報告され、締めくくりとして、千葉県佐原農産物供給センターの香取政典さんの進行で、河野武平さんを囲みながら生産者、消費者代表による、硝酸態窒素削減に向けたパネルディスカッションを行いました。
 消費者として、生消協議会幹事の米山けい子さんは、昨年から次々と食の安全を脅かす問題が相次いでいるなか、硝酸態窒素の取り組みは本当に地道な取り組みであり、今の日本が、消費者が動かないと何も動かないなか、消費者一人ひとりの力が非常に大切になっていると述べました。
 また、生産者としてパネリストになったJA山武郡市の綿貫直樹さんは、生産者はおいしいものをつくりたい、消費者がおいしいと言ってくれることが何よりの励みであり、ぜひ産地に消費者の「おいしい」を伝えてほしいと述べ、河野武平さんも、「生産者はおいしいものをつくりたいと思っているが、経済がそれを歪めている。硝酸態窒素は単に減らすとか、多い少ないという問題ではなく、硝酸イオンが多いと味覚が落ちる。つくることは喜びを伴うものであり、消費者はおいしいものをおいしいと伝えること、おいしいものは健康につながる」と結びました。
 会場からも、各生協での硝酸態窒素学習会の取り組みが紹介されるなか、硝酸態窒素の取り組みが分かるようになってきたこと、生産者からは、硝酸態窒素の全国的な測定の現状のなかで、今後、計測した数値をどういう判断していくかなど、活発な意見が出され、硝酸態窒素問題の取り組みの現状と、今後に向けた生産者、消費者の課題が明らかになった集会となりました。

 首都圏コープグループは、食の安全への取り組みとして、放射能やダイオキシン濃度の測定、O-157対策、環境ホルモンや土壌カドミウム対策、残留農薬削減など、さまざまな活動を行なっています。硝酸態窒素も食の安全を確保する取り組みとしてすすめており、この間、近郊産地会議を中心に、産地での硝酸態窒素濃度の計測、圃場の土壌検査の実施、窒素削減に向け過剰施肥を防ぐための実験圃場を設置し、施肥料の試験を行なうなど、積極的な活動を行なっています。

生産者、消費者80名が参加し、首都圏コープグループの硝酸態窒素への取り組みが熱心に交換されました(25日飯田橋・東京都消費生活総合センターにて)
パネルディスカッションでは、今後に向けた生産者、消費者双方の課題、方向性を確認することができました。

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