| 人間が存在する、その位置の確認からはじめていきたい。 |
例えば、最近よく使われている「共生」という言葉は、人が共に存在し合うということからさらに一歩進み、健全な自然と手をとりあい、よい環境と共に生きていこうという考え方になっていると思います。私たちは、人間が存在する、その位置の確認からはじめていきたい。人間と密接に関係している細菌や微生物、小動物などの多種多様な生物の営みから見つめていきたいと考えています。そのために「田んぼの生きもの調査」などを進め、自然の成り立ちを観察・調査しているわけです。また、海まで含めた生物の営みについても考えるため、水産への取り組みも積極的にはじめたところです。人間の自己中心的な営みが自然界のバランスを崩していることを見つめ反省しながら、生命が持続する環境を維持するために今後あるべき「生物の多様性」をしっかり考えていきたいと思います。 |
| 自然と、社会と、折り合いをつけられる農業を応援したい。 |
|
田んぼは5,000 種類以上の生物を育む場所だと言われていますが、その中で害虫と呼ばれるのは実は150 種類ぐらいしかいません。逆に、益虫のほうが格段に多い。けれども人間が農薬を使ってしまうと、その影響で、生態系のバランスを崩してしまい、散布し続けなければならなくなります。ですからパルシステムも設立に参加した「生物多様性農業支援センター」では、農薬に頼らない農業のやり方を考え、支援しています。昔の人は、いちばん雑草の生えない時期に田植えをしていました。そういう知恵があったのに、今では一元的に効率優先で推し進めてしまったから、さまざまな問題も生じているわけです。その一つひとつを、私たちは見直していきたい。自然と、社会と、折り合いをつけられる、持続可能な農業のあり方を考え、農家の人たちを支えていきたいと思っています。「100 万人の食づくり」運動も、みんなで日本型食生活の良さを継承しお米を食べて、農地を保全し地域を再生しようとする活動です。多くの組合員の理解・共感を得ることができました。 こうした取り組みを、今後はさらに畜産、青果のほうにも広げていきたいと考えています。畜産では、輸入の飼料に頼らない、国産の飼料を広めていきたい。国内で飼料米をつくることによって、減反田を蘇らせることもできるのです。また、青果では安心・安全ということに加えて、今後は改めて鮮度やおいしさにもこだわり、「産直いきいき品質」でお届けしていきたいと思います。 |
| 大切な「思い」をつなげて、人の信頼関係をつくっていきたい。 |
|
パルシステム共済生活協同組合連合会は、共済の価値を広げるには自分たちも事業責任の一端をより担うべきだという思いから設立しました。将来的には、福祉や社会活動にもつなげることによって、たすけあいの精神で社会に貢献していきたいと考えています。こうしたことも含めて、私たちパル
システムが続けてきたことは、「人と人との信頼関係を大切にすること」だったと思います。安全・安心を担保するのは、ちゃんとしたものをつくろう、届けようとする「思い」であり、その「思い」がつながった人間関係こそが、社会を動かしていくと信じています。生産者と消費者がまさに「協同」しながら信頼関係をつくっていきたい。そして、現在1 都8 県という都市部を中心に活動している生協として、地域を支える責務も負っていきたいと思います。「農業をやりたい・続けたい」「地域にいたい」という人を支えながら、食料自給率を向上させ、地域を活性化させていきたいと考えています。 パルシステム連合会の法人化から20 年間、さまざまな課題に挑戦しながら、その時代時代に必要なことに取り組んできたつもりです。私は25 年ほど前に、ある産直の生産者から、「自分達も地域の中で夢を実現したいから、パルシステムも、もっと大きくなって取引を拡大してほしい」と言われました。産地のみなさんに元気になってもらうためにも、そして日本の農業を守り、食の安全・安心を守り、みんなの生活を守るためにも、パルシステムは人と人との「絆」を大切にしながら、もっともっとお役に立てる組織になりたいと考えています。どうぞこれからもご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。 2010年7月 |







