リスクコミュニケーションについて

リスクコミュニケーションについて
講演: 農産物の安全性に関わる知識について
     〜リスクコミュニケーションとは〜

(株)食品科学広報センター    瀬古 博子 氏

 食品安全委員会が発足して、日本の食品安全行政にリスク分析手法が導入されたのは2003年のことで、食品安全元年とも言われていると聞いております。
 食品安全基本法が成立し、食品衛生法が改正され、その前年の
12月には農薬取締法が改正されるなど、食品安全に関わる動向が変わってきた年です。

 <食品に含まれる危害の多様化・複雑化>
 消費者には一般に、食品というのは本来安全なものという意識があると思いますが、実際には食中毒にもなりますし、極めて微量であっても有害な成分が含まれていたりします。それを私達は加熱調理したり有害な部分を取り除いたりしてリスクを減らし、安全性を高めてきました。今は、食品にはリスクが付き物だという事を少し忘れてきているところかもしれません。


 
現代は、食のグローバル化やBSEの発生、中食・外食の利用増大などによる利便性の追及などにより食品の危害が多様化、複雑化してきました。また、分析技術の向上により微量の成分ですら検知できるようになっています。多様化・複雑化の中にはバイオ技術を応用した遺伝子組み換え農作物、新規農薬などの開発もあげられます。
 しかし一方で、遺伝子組み換え食品の安全性は事前に科学的に審査されていますし、農薬も分解性が高くなっています。
 こうした中で、「食品安全には絶対はない」という考えが一般的になってきました。

 <リスク分析とは>
 リスク分析とは、リスクアセスメント、リスクマネージメント、リスクコミュニケーションという
3つの要素からなります。リスクアセスメントは、食品中に含まれるハザード(危害因子)を摂取することによって、どのくらいの確率で、どの程度の健康への悪影響が起きるかを評価するものです。 

 リスク評価の結果に基づいてリスク管理(リスクマネージメント)が行われます。リスクマネージメントは、基準の設定など行政 による規制と考えて頂ければよいと思います。これらは、 厚生労働省や農林水産省が行います。

 今日のテーマである、リスクコミュニケーションとは、リスクアセスメントやリスクマネージメントの過程の中で消費者を含めた全て関係者のなかでお互いに情報や意見を交換するという事です。リスクアセスメント・リスクマネージメントが適切に行われていたとしても、リスクコミュニケーションがうまくいかなければ、それが生かされないことになります。

食品科 学広報センター>>


 

 

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