Theme-5 「新農業への取り組み」

「生産-消費」の枠を超え自然と永続的に共生する風土を

 あまりに農薬や化学肥料へ依存した結果、農作物と土壌の安全性は危機的状況です。折しも輸入農産物の急増や価格暴落と相まって、日本農業は崩壊の危機とまでいわれています。パルシステム生活共同組合連合会及びジーピーエスに求められるのは、こうした情勢の中で、次代まで農業が続けられる環境を守る持続型農業・循環型社会の創造へ向けたうねりを巻き起こしていく役目であるといえます。

新農業への取り組み

 優れた生産者団体を数多くかかえ、地道な産直活動で組合員の信頼を築いてきたパルシステム生活共同組合連合会に、いま新しい課題が生じています。それは、これまでの「生産―消費」の関係を超え、地域農業の再建に生協と消費者が積極的に関わって、新しい農業モデルを全国に先がけて提案することです。その具体的なアクションをまとめた「新農業事業推進プロジェクト」には、4つの柱ともいうべき政策が盛り込まれています。

●「theふーど」を核とした産直品の拡大

パルシステム生活共同組合連合会が取り扱う商品 将来まで農業が続けられる環境を築くために、土づくりをしながら農薬削減の取り組みを拡げているなか、ジーピーエスでは「theふーど」農産物の開発・企画・普及にも力を入れていきます。「theふーど」農産物とは、無農薬・無化学肥料といういわば頂点の農法で育てられたもので、1999年10月に青果・米の供給から始まって以来、現在では平飼いたまご・牛肉セット・お酒など35産地46品目にも及んでいます。これら「theふーど」の拡大は、すなわち「安全・安心」の拡大でもあり、堆肥や飼料化事業を推し進め、資源循環型・環境保全型農業を推進することを意味しています。

●堆肥リサイクル 

 ジーピーエスでは、検品ではじかれる月10トンもの青果廃棄物を堆肥としてリサイクルする実験を開始しました。これは、食品リサイクル法への対応でもありますが、ゴミ処理だけではなく、資源化によって、堆肥作りが困難な産地に堆肥を供給することが目的です。
 JA谷田部産直部会が持つ3カ所の堆肥場では、農協の肥育牛生産者と提携し、牛糞にしめじやなめこなどのオガクズを加えた有機肥料を作り上げていますが、そこにジーピーエスの野菜残さを搬入。青果くずは約3〜4ヵ月かけて発酵され堆肥となり、産地で有効に活用されます。2000年度は発生した野菜残さのうち、年間平均で71.5%の堆肥化が実現しました。将来的には生ゴミを乾燥・粉砕する設備を導入し、地域の資源循環型の堆肥センターを建設する予定です。今後も新農業事業の実現に向け、各産地・行政と共同し、地域で発生した未利用資源・有機物を堆肥に活かすシステムを早急に構築していく計画です。

●地域循環型農業モデルの推進 

JAささかみ田植えツアーの様子 21世紀型の新農業を全国に広めていくための有力なモデルが、25年以上の産直交流の歴史をもつ、新潟県JAささかみです。2000年度にはパルシステム生活共同組合連合会とJAささかみ、笹神村の三者で「食料と農業に関する基本協定」を締結。消費者と生産者、行政が一体となって、資源循環型・環境保全型の社会を作り、新たな事業を展開していくことを誓いました。
 その第一弾が、共同開発による農産物加工品の誕生と、その事業化。「theふーど」の米を使った純米酒、休耕田を利用しての減農薬・減化学肥料栽培大豆による味噌などを実現させました。また、都市と農村の交流事業をさかんにするための構想も多様化し、ホームステイなど長期滞在型の交流にふさわしい体験工房を設立するなど、将来的にはこの点でも全国のモデルとなる計画です。
<写真:JAささかみ田植えツアーの様子>

●交流事業 

JA常磐村産地交流の様子 これまでもパルシステム生活共同組合連合会グループは、会員生協を主体に農業体験などさまざまな産直交流に取り組んできました。これからはグループ全体でこれらの「交流事業」を把握し、ひとつの大きな運動として組み立て直します。その第一歩が、21世紀型の新農業事業のテーマでもある<都市・農村の共生><人と自然との共生>を求める「グリーンライフ構想」を、本格的な交流事業として立ち上げることです。消費者側と生産者側の双方に、新しい参加型の推進組織をつくり、2003年度には「首都圏グリーンライフ協会」(仮称/NPO)を設立します。
<写真:JA常磐村産地交流の様子>