Theme-3 「無農薬・減農薬の取り組み」

少しでも農薬を減らし、できることなら無農薬の作物を1品でも多くお届けしたい。しかし、無農薬・減農薬栽培には常にリスクがともないます。安全性の追及と安定供給の両立。産地と協力し合い、消費者の理解を求めつつ、一歩づつ時間をかけながらも確実に、取り組みの歩をすすめています。

無農薬たまねぎ

玉ねぎ 〈士別農園〉
 「士別農園」は、北海道の上川郡多寄盆地、今では同地域の多寄有機農研も巻き込んで「玉ねぎ等」の産直を展開しています。本来玉ねぎは、病害虫に弱くまた広大な畑を管理するのに農薬の除草:殺菌剤は不可欠。一番の大敵は、雑草が媒介する水滴による病原菌の感染です。市場向けの産地では、除草剤を定期散布し雨が降ったら殺菌剤を撒くよう指導されています。「士別農園」では、これらを使用せず、地を這って手作業で草取りをし畑の巡回を頻繁に行い病害株等を抜き取るという大変手間のかかる管理をしています。重労働の為に面積の拡大は簡単に出来ませんが、今後も栽培方針として、難しい「無農薬玉ねぎ」の栽培に取り組んでみます。

無農薬実験の取り組み

〈協力産地:JA谷田部・佐原農産物供給センター〉
 さつまいも、ごぼう、人参の無農薬栽培実験を行っています。根菜類の栽培で不可欠とされる(コガネムシの幼虫など土中の天敵から守るため)植え付け前の畑の土壌消毒も、除草剤も、殺虫・殺菌剤もなしで栽培。さつまいもの場合1997年の収穫に対する製品率は、谷田部では、対象区が62.8%に対し実験区で21.1%。食味についての差はないのですが、食害・変形などで、生協の供給でも余程理解が得られなければクレームとなるものが大半を占める結果でした。しかし、このような取り組みは、一朝一夕で成果が上がるものではありません。土壌消毒の代わりのカルス菌の可能性など効果の見られたこともあり、無農薬実験への取り組みは今後も規模と品目を拡大して継続します。

バランゴンバナナ

バナナ〈フィリピン ネグロス島〉
 バナナは、1968年の輸入自由化以後、最大量の輸入果実ですが、国際アグリビジネス企業の第三国でのバナナ生産は『労働者の人権・環境破壊・食の安全性が確認できない』という問題が潜んでいます。80年代の砂糖の国際価格暴落時、砂糖の島フィリピンのネグロス島の砂糖労働者は大量に失業し、飢餓にさらされました。「ネグロスの子供たちに生きる力を!」と日本ネグロス委員会が発足し、バナナの民衆交易が始まったのが89年。バランゴン・バナナは農薬も化学肥料も使わない自然の循環の中で育てられ、収穫後の防かび剤や殺菌剤も使われていません。産地はネグロス島を中心に拡大。公正価格で取引されるバナナは安定した収入をもたらし、子供達の未来や農業のことなどを考える余裕も生まれてきました。代金に含まれる「自立基金」は、生産者の暮らしづくりや自然環境を守る農業と地域社会づくりを支援。「あげる」支援ではなく現地の人々と「共に生きる連帯活動」の一つの形なのです。