輸入農産物には負けない!
地域で広げる環境保全型農業―野菜くらぶ(群馬県)の公開確認会


 2010年11月29日、群馬県の産直産地、野菜くらぶで公開確認会が行われました。パルシステム群馬が主催した今回の公開確認会には、昭和村の加藤秀光村長をはじめ、パルシステムの組合員、生産者など154名が参加しました。

 野菜くらぶでは、「コア・フード」や「エコ・チャレンジ」の基準で野菜を栽培しています。それだけでなく、生産した野菜を活用し、自らこんにゃく工場や漬物工場も立ち上げています。今、農業では、農産物の生産だけにとどまらず、加工や流通にまで関わって付加価値を高めていく、農業の「6次産業化」が注目されています。野菜くらぶの漬物・こんにゃく工場も、この6次産業化の先駆的な取り組みとして、監査人から高い評価を受けました。

 しかし野菜くらぶは、農産物の付加価値を付けるというよりも、「せっかく作った『コア・フード』や『エコ・チャレンジ』の野菜を、添加物漬けの加工品にしたくない」との思いで、工場を立ち上げたところが大きな特徴です。こんにゃく工場も、食品添加物や化学物質を排除し、JAS有機認証を受けています。安全な農産物を生産し、自ら安全な食品も加工する。そして、その価値を理解する組合員に食べてもらう。またその取り組みに共感した地域の若い生産者が、野菜くらぶに集まってくる。生産者たちは、地域で環境保全型農業を広げていく。こうした一連の活動は、とても感動的です。

 群馬県は、こんにゃくの大産地でもあります。県の慣行栽培基準では、土を殺菌する土壌くん蒸剤や除草剤の使用が一般的。そんななか、野菜くらぶの生産者が中心になって「エコ・チャレンジ」栽培を広げることは、土壌くん蒸剤や除草剤の削減につながります。地域の環境保全にもどれほど貢献しているか、計り知れません。

 折りしも世間では、環太平洋諸国の貿易自由化をめざす経済的枠組み「TPP(環太平洋経済連携協定)」の問題がクローズアップされています。今後、農産物の輸入が増えていくことが懸念されるなかで、安い外国の農産物に負けないよう、産直産地の生産者といっしょになって、日本の農業や農地、里山を守っていかなければなりません。その第一歩として、「食」と「農」の間の距離を縮めて、私たち消費者も生産現場に踏みこんでいくことが大事です。たとえ外国の農産物が安くても、野菜くらぶのような取り組みはそれに負けない多くの価値をもっています。組合員も「食べる」ことから一歩踏み込んで、農業の現場を理解して消費することで、地域や環境に貢献していくことができるのです。


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