畑から地球温暖化を防止!
産直産地で実験が進んでいます


〜農業分野でも、化石燃料から電気の利用へ〜


 2009年12月、デンマークで国連の気候変動枠組み条約・第15回締約国会議(COP15)が開かれ、京都議定書に続く新たな地球温暖化防止策の枠組みが議論されました。各国で温室効果ガス削減がなかなか進まないなか、農業分野でも削減が必要になってきています。

ヒートポンプ
電気を使ってトマト栽培用のハウスを加温する「ヒートポンプ」(野菜くらぶ)

 パルシステムでは、次の3つの取り組みが農業分野で重要と考えています――
@化学肥料を削減し、堆肥などを有効活用して、二酸化炭素(CO2)の元となる炭素を、土中に貯留する機能を高めていく。
Aハウス栽培(施設園芸)において、重油に頼らない加温技術を推進し、化石燃料の使用を減らす。
B農業資材の削減や機械の見直しを行い、温室効果ガスの発生を抑制する。


 トマト、きゅうり、いちごなどの作物は、冬場は、暖房を使ってハウス内を加温して栽培します。もちろんパルシステムでは、加温栽培しなくても作れる野菜を届けたいと考えており、旬の野菜のおすすめや、露地栽培の野菜を増やしてきました。しかし、品目や時季によってどうしても加温しなければ作れない作物があり、一定の収穫量を確保し、農家の経営を安定させるためには、暖房を使わざるをえません。
ハリーヒート
「電気暖房機(ハリーヒート)を購入して、燃料を削除しました」(サンドファーム旭、加瀬玲さん)

 加温栽培の場合、一般的には重油を燃料に使うため、CO2が発生し大気中に放出されます。そこでサンドファーム旭(千葉県)や茨城産直センター(茨城県)、野菜くらぶ(群馬県・静岡県)では、重油の代わりに電気を使う機械を導入。「電気に替えたところで、CO2の削減にはならないのでは…」との意見もありますが、この間の試験では、電気のほうが温室効果ガスの発生を抑制できるというデータが出ています。生産コストの面で課題は残りますが、電気による加温だとハウス内の湿度が抑えられ、病気の発生が少なくなり、農薬の削減につながるメリットもあります。

〜木質ペレットを使って温室効果ガスを削減〜

 2009年11月、パルシステムのピーマンを生産している茨城産直センター(茨城県)に、各地から産直産地の生産者が訪れ、二酸化炭素(CO2)削減の取り組み事例を見学しました。茨城産直センターでは、ハウスの加温のために、重油や電気ではなく「木質ペレット」による加温が可能かどうかを研究中。パルシステム生活協同組合連合会の環境推進室と共同で行うこの研究で、さらなる温室効果ガスの削減をめざしています。

 木質ペレットは、木材を原料にした新しい燃料エネルギー。原料となるのは、間伐材や剪定した枝、薪、廃材、もみ殻、おがくずなどです。木質ペレットを燃やすと、CO2は排出されますが、これは原料となる植物が光合成で取り込んだものなので、大気中に新たなCO2が増えるわけではありません。石油などの化石燃料を使わないぶんだけ、CO2の削減も可能なのです。

 剪定枝やもみ殻などは、廃棄物になることがほとんどですが、燃料として利用することで、新たな価値を生み出します。ただし、燃やす際に煙が発生したり、灰が大量に出るなど、解決しなければならない課題もまだあります。

 木材を燃料にする取り組みは、JAつくば市谷田部産直部会(茨城県)のしいたけ栽培でも実践されています。使い古した原木を燃料に使い、その灰は野菜の肥料として活用されています。
 まだまだ始まったばかりの取り組みですが、パルシステムでは、農業現場からもCO2削減に向けて努力しています。作る人、運ぶ人、食べる人、それぞれができる範囲で努力してこそ、地球温暖化の防止につながるはずです。

木質ペレット
間伐材を使った木質ペレット。CO2削減につながる新しい燃料です。
ボイラー
ボイラーで木質ペレットを燃やし、ハウスを加温します(茨城産直センター
ピーマン
青谷清一さん(茨城産直センター)の畑で育つピーマン












                                      株式会社ジーピーエス 常務取締役 高橋宏通


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