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社会貢献活動レポート

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第73回 「福島を元気に」組合員を増やして地域再生 パルシステムグループ福島加入支援


パルシステム福島 郡山拡大事務所 所長 勝倉 靖典さん

パルシステムグループは7月4日から29日にかけ4週間、パルシステム福島の郡山センターにて組合員加入の支援を実施しました。郡山市や福島市では東京電力福島第一原発事故の発生以降、自主的に避難する住民が増えています。これにより、パルシステム福島でも利用中止や脱退が増加し、パルシステムが進める地域づくりの観点からも深刻な状況になっていました。今回、支援に派遣された職員数は、のべ103名。会員生協、連合会、子会社のほか、友好生協の新潟県総合生協からも協力を受けました。その結果、新規加入の組合員数は、目標の625名を大きく上回る757名となっています。今回の支援は、事業的な側面はもちろん、地域づくりや組織間の人事交流など、多くの成果を残したといえそうです。

静かに壊れる人々の“くらし”「避難したい」不安との葛藤

郡山センターエリアでの支援の一員として郡山の市街地を歩いていると、夏にもかかわらずマスクを着用した小学生が集団下校していました。気温が連日30度を超える暑さもありますが、公園に人影はありません。

地域の人と話していると「子どもの夏休みにあわせて一時避難する」という住民が少なくありませんでした。行き先は、県内会津地方、京都、福岡、新潟など全国各地。「子どもを外で思い切り遊ばせたくて」と母親は話します。

避難の形態はさまざまです。一家全員が引っ越している家庭もありますが、仕事の都合で父親だけが残っている家庭もあります。3世代で住んでいる家庭では家を守るため、祖父母だけ残るケースも少なくありませんでした。原発事故が発生するまではにぎやかだったはずの広い家で、たった2人でくらしています。

避難していない世帯の事情は複雑です。子どもを連れて避難したくても行き先のない母親。庭で野菜をつくって孫に食べさせようとすると、娘から「食べさせないで」と言われた老夫婦。仕事がなくなり、家でじっとしている中年の男性もいました。この地域は政府の指定する避難指示区域でないため、避難に対し政府や自治体からの支援もありません。自分の住んでいる場所は安全なのか。疑心暗鬼と家庭内での判断の相違が、ゆっくりと音をたてずに、人々のくらしを壊しているようでした。

パルシステムにできることは

▲避難の文字が並ぶ休眠リストは、最近になって再開も増加

福島第一原発事故の影響で郡山センターのエリアでは、避難などの理由から4月から6月だけで組合員が500名脱退しました。7月も、夏休みを利用した一時避難で360名から利用停止の連絡を受けました。組合員5000名の同センターでは、決して少ない数ではありません。

子どもを持つ若い世代が避難すれば、地域には高齢者が残ります。次に東日本大震災のような大規模な災害が発生した場合、この地域の人たちは助けあって生き延びることができるのでしょうか。不安をぬぐい去ることはできません。

助けあいの組織として、生協は今後くらしを守り、地域のコミュニティをつくることも求められていきます。新しく加入した組合員を含めて地域の人々が話し合い、助けあえる環境づくりが必要です。「そのためにも、まずはパルシステムを利用してもらい、信用してもらわないと」とパルシステム福島郡山拡大事務所の勝倉靖典所長は話します。「地域の人に『避難しないで』とは言えません。商品や週に1回の配達を通じて、少しでも不安をやわらげられるよう、地道に貢献していくしかありません」。勝倉さんは決意を秘めた表情で語ります。

こうしたなか、パルシステムグループ全体による支援が行われました。

メイト職員の献身に「感謝でいっぱい」


▲103名が応援に訪れた郡山拡大事務所

支援職員は、会員生協、子会社、連合会、さらに友好生協の新潟県総合生協からも派遣されました。1週間ごとの交代制で、日曜日に郡山入りし金曜まで組合員拡大業務に従事します。

「話を初めて聞いたときは『少し早すぎやしないか』と考えていました」と勝倉所長は打ち明けます。「『夏休みを利用して一時的に避難するので利用を休止する』という連絡をすでに少なからずもらっていました。ということは、地域のみなさんも同様ということです。それであれば、9月ごろのほうが時期としては適正ではないか」というのが本音でもありました。

郡山事務所の職員には、見知らぬ人を受け入れることへの不安もあったそうです。「ある職員は『本当に来るのですか』と毎日のように聞いてきました」(勝倉さん)。なにしろメイト職員(拡大専門のパート職員)が11名の事務所に、事務局含め25名近い〝支援部隊〟が入ってくるのです。職員の間に摩擦は生まれないか、業務に支障は生じないか――、不安が募ります。

また、メイト職員は本来、週4日で午後4時までの勤務ですが、支援職員の送迎などの都合で行動を同一にしなければならないことから、週5日とし勤務時間を1時間延長して対応しました。「メイト職員のなかには、小さな子どもを持つ者もいました。家族にも負担をかけてしまいましたが、みんなの献身的な協力には感謝の気持ちでいっぱいです」(勝倉さん)。

「いただいた名刺はお守りです」

▲福島のために! 心はひとつ

業務の体制は、メイト職員と支援職員の混成チームによる行動としました。「当初はそれぞれ別々の構成も考えたのですが、混成としました。結果的に大成功でした」と勝倉さんは振り返ります。

「楽しかったです」「刺激になりました」「あっという間でした」、メイト職員のみなさんからはそんな感想ばかりが聞こえてきました。移動の車中などでの情報交換や雑談でチームワークが高まりました。なかにはみんなで歌を歌ったり、ロールプレイングをはじめたりするチームもあったそうです。「みんなポジティブだったので、自然に前を向く姿勢になりました」と、メイト職員の和田山光穂さんは話します。

全職員が同じ方向を向いた結果、当初の目標としていた625名を大きく上回る757名ものみなさんをパルシステム福島の組合員として迎え入れることができました。「まさかこれだけの成果が残せるとは、想像していませんでした」と、勝倉さんは驚きを隠せません。「パルシステムグループ全体のチームワークをあらためて感じることができました」。

放射能の不安と復興への希望が入り混じる福島県の人々が、元どおりの生活を取り戻すには、これから時間がかかるかもしれません。それでも今回の支援は、少なくとも郡山拡大事務所を活気づけました。地域の再生と貢献の輪の拡がりと充実のためにも、継続的な支援が求められています。


*本ページの内容は2011年8月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。

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