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社会貢献活動レポート

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第62回 パルシステム神奈川ゆめコープの民家型デイサービス 「ぬくもり御園」


▲民家をリフォームして開設

パルシステム神奈川ゆめコープ
福祉事業部ぬくもり御園
徳永多岐子所長

パルシステム神奈川ゆめコープは2010年3月、福祉事業において「ぬくもり相模大野」に代わる認知症対応型通所介護(デイサービス)事業所「ぬくもり御園」を開所しました。同生協の福祉施設として初めて、民家を貸借した施設です。これまでの商業施設を利用した施設と異なり、自宅に近い環境で過ごすことができることから、事業開始から3カ月ほどにもかかわらず、利用者のなかにはさっそく言葉数が多くなったり、自分で動けることが多くなったりする事例もみられるようになったそうです。「利用者はもちろん、職員もリラックスして働いているように見受けられます。もしかしたら利用者がリラックスできているのは、そのせいかもしれませんね」と、ぬくもり御園の徳永多岐子所長は話します。

「ぬくもり相模大野」開設10年 利用者の高齢化で不具合が…

パルシステム神奈川ゆめコープでは2000年から、相模原市に「ぬくもり相模大野」を開設し、訪問介護や居宅介護支援、福祉用具貸与・販売などとともに通所介護(デイサービス)事業を行ってきました。

「ぬくもり相模大野」の立地は、相模大野駅からほど近い商業施設の2階。「当初は比較的元気な方、要介護度で軽度な方の利用を想定していました。隣に大型の商業施設もあり、買い物ついでの利用というスタイルも考えていました」と、徳永さんは説明します。

交通の便がよいため、施設はカルチャースクールや組合員活動の場として利用されることも。地域に密着した活動をめざし、近隣住民とともに落語会を開催したこともあったそうです。

しかし、開設から月日が経過するにしたがい、環境は変化します。10年近くの間に利用者の体力は落ち、はじめは杖で通えていた人が車いすになったり、認知症になったりする方も増えてきました。さらに利用者が増加したことで、カルチャースクールや組合員活動などデイサービス以外の利用が難しくなってきました。また、「ぬくもり相模大野」は大通りに面していたため、車いすの利用者が増えれば、送迎は職員の大きな負担にもなります。特に雨の日は利用者にカッパを被ってもらい、さらに職員も傘をさして駐車場まで移動しなければなりません。

「介護保険制度の改正なども重なり『ぬくもり相模大野』は一定の役割を果たしたと判断することにしました。そして次のステップを検討することにしたのです」(徳永さん)。


待っていたのは「民家型」ゆえの困難

デイサービス事業の次の展開としてパルシステム神奈川ゆめコープでは、まず趣味的なものから、より介護の性格を強めたサービスを提供することにしました。「さらに地域に密着し、信頼される事業の必要性を感じていました。『ぬくもり相模大野』は、商業地に立地していたこともあり、地域との連携はなかなか深まらなかったのです」(徳永さん)。そこで考え出された結論が、民家を賃借した民家型のデイサービス施設でした。

とはいえ、物件探しは苦労の連続。「大家さんの了解は得られても隣家から反対され、あきらめざるを得なかったケースもありました。利用者を送迎するために車が頻繁に往来することもあり、騒音をはじめ住環境の変化を心配されたようです」。

物件が決まってからも、近隣住民への説明や内覧会への招待などで、地域の理解を深める活動を積極的に続けてきました。

また、開設準備に際してはパルシステム東京やパルシステム千葉、近隣の福祉事業団体からも協力を得ました。「なにしろ初めての取り組みだったので、大変貴重なアドバイスばかりで、参考になりました」。

「民家型」ならではの苦労は想像以上

2階はデイサービスのほか訪問介護や福祉用具貸与・販売の事務所となっています

まずは電気。「ぬくもり御園」の2階は事務所として使用し、デイサービスだけでなく訪問介護や、福祉用具貸与・販売などの事業拠点としても利用します。そのため、パソコンをはじめ一定の電気機器を使用することとなり、その量は一般家庭をはるかに上回ります。さらに、通信用のLANも配線しなくてはなりません。一般的なオフィスのように床下に埋設できるわけもなく、「それぞれ机の下は配線のだんごで見せられるものではありません」と、徳永さんは笑います。

さらに、これらの備品を配置できる強度が建物に必要となります。書類や書籍を保管するキャビネットだけでも相当な重さになるため、強度を上げるための改築工事も施しました。「この建物はたまたま民家にはめずらしく鉄骨造りだったので、大規模な改修はせずにすみましたが、それでもある程度の投資額はかかりました」。

ごみの廃棄は事業ごみとなるため、地域のごみ収集には出さず、業者に引き取ってもらっています。また、住宅街に立地しているため近くに店舗はなく、買い物もひと苦労です。実際、取材した日はバス停から歩いて向かったのですが、バス停に到着したころに大雨にあってしまい、傘も買えずにずぶぬれの状態で訪問してしまいました。電池やセロテープなど、ちょっとした買い物もなかなか難しそうです。

そのほか、各種打ち合せのスペース確保や荷受など、一般的なオフィスにはない苦労や気遣いが必要とのことでした。


「発語や笑顔」に変化が

民家型デイサービスは利用者も職員も自宅のようにリラックス

こうして開設し3カ月が経過した民家型デイサービス「ぬくもり御園」は、利用者やその家族から好評のようです。

たとえばトイレですが、以前の「ぬくもり相模大野」は商業施設のため距離があり、介助が必要でしたが、自宅のようなトイレになり、ひとりで行けるようになった利用者が増えました。また、介護職員との距離も自然と近くなるため、利用者も落ち着きが保てるといいます。気持ちが不安定になった場合も、近所を散歩できることで、ほどなく回復させることができるようになりました。「利用者の家族からは、発語や笑顔が増えたと言っていただくことも増えてきました」と徳永さんは説明します。

リビングのソファやイスに利用者が腰をかけると、すぐそばに職員が寄り添うことができます。それは民家型だからできることです。「職員も自宅にいるようにリラックスしています。もしかしたら、働く職員が作業に追われることなくリラックスしているから、利用者にもそれが伝わるのかもしれませんね」。


地域に見守られた施設に

パルシステム神奈川ゆめコープでは「ぬくもり相模大野」に代わる施設として、「ぬくもり御園」のほか2施設の民間型デイサービス拠点をオープンさせました。今後は、地域に密着することで活動を点から面へ展開したい考えです。「誰でも生まれ育った地域で生活を続け、人生を終えられたら、と考えているのではないでしょうか。人々が見守る地域をつくることで、それが可能になると信じています。『ぬくもり御園』は、そんな“地域に見守られた施設”にしていきたいですね」。

最近では、近隣住民の方が、庭で育てた花を持ち寄ってくださることもあるそうです。「お返しというわけではないですが、福祉事業所として学習会や介護教室のようなこともできればと思っています。専門家もいるので、気軽に相談していただける場所になればいいですね」。

「ぬくもり御園」は〝お隣りさん感覚〟で利用できる施設をめざしています。


*本ページの内容は2010年8月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。

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