左メニューへジャンプ
本文へジャンプ
ここから上部共通ナビゲーションです
ホーム > 社会貢献活動 > 社会貢献活動レポート > 第32回 パルシステムの食育
ここから左メニューです
ここから本文です

社会貢献活動レポート

目次へ
第31回へ
第33回へ
第32回 ——「いのちのつながり」を実感する——「パルシステムの食育」 社会的責任と生協事業
連合会 商品企画部 部長 栗田典子さん 「食育基本法」も制定され 、最近では普通の言葉になってきた「食育」。パルシステムグループでも、各会員生協で「食育リーダー養成講座」をはじめとして、さまざまな取り組みが展開されています。では私たちパルシステムの事業の中心である「商品事業」では、どのように位置づけられているのでしょうか。「パルシステムの商品事業は、全部が全部、丸ごと食育です」と話す栗田典子商品企画部部長に、パルシステムの商品事業で展開されている食育の取り組みについてお聞きしました。
パルシステムの商品カタログはすべてが食育

「パルシステムの商品カタログは、すべてのページ、すべてのコーナーが食育の視点でつくられています」と話すのは商品企画部の栗田典子部長。

「3媒体づくりの基本は、まさに“くらし課題解決”です。それぞれの商品カタログで対象とする組合員さんたちが、毎日の『食』に関してどんな困り事があり、どんなことがうれしいのか。それを徹底的に探り、組合員さんのくらしに寄り添っていこうとした結果、食育の視点になっていたのです」(栗田部長、以下同)。例えば『YUMYUM』では、巻頭の丸ごと1ページを使った「わが家の定番」と題したレシピを連載しています。『YUMYUM』を立ち上げる当初、内部では利用者層は包丁もまな板もないのではないかと言われていたのですが、組合員さんの声を集めるうちに気づいたのが「面倒くさくて手作りをしない」のではなく、経験や技術の不足から自信が持てず、したくても「できない」でいるということだったとか。ならばその自信不足を解消してあげよう、と生まれた施策のひとつがこの大胆なレシピ提案だったのです。
「結果的にこの企画は大成功。たとえばそれまでは『YUMYUM』で“売れるはずがない”と言われていたブロック肉も、ていねいなレシピをつけて“豚の角煮”提案をしたところ、利用率がそれまでの3倍以上に跳ね上がりました。男性料理人を起用して“ちょっとオシャレな感じのスタイルづくり”を提案したことも成功の要因だったようです」。

最近の組合員ヒアリングでは、『YUMYUM』利用者のなかで、素材からの料理にチャレンジする人が確実に増えているという実感を持っているそうです。。

畑や田んぼと食卓を結ぶ産直が「いのちのつながり」を感じさせてくれる
▲『YUMYUM』の世代にもっとも支持されている企画。成島昭夫監修
食育を「農から食へのいのちのつながり」と言う栗田部長は、パルシステムの強みは、事業のベースに産直があったからといいます。現在、国が食育の推進として力を入れて進めているものに『食事バランスガイド』の普及があります。これももちろん大切なことですが、このガイドだけでは「食べものの成り立ち、いのちのつながりまでは見えてこない」と言います。
「たとえば、本来あってはならないことですが、今日届いたレタスにとろけがあったとします。その時に、『そういえば前日まで雨だったよね』ということを想像することができるかどうか。お金を出せば食べたいものを食べたいときに手に入れることができるいまは、便利と言えば便利ですが、その中で奪われてきたものはとても大きいのではないか」。

「つくる」現場と食卓とが分断されてきた中で、畑や田んぼと食卓を結ぶことができるのが産直ではないか、と栗田部長は話します。
「すべての食べ物は、自然に由来するもので、同じ大きさや品質にできるわけはなく、本来はデコボコなものです。パルシステムとして産直を看板にしている以上、食べものの背景にある物語〜人や地域や仕事があり、それぞれにデコボコがあること〜を伝えていかなければなりません」。


■商品とともの物語を届ける これも食育の大切な視点

商品カタログだけではなく、パルシステムの商品づくりも食育の視点で組み立てられています。栗田部長は、パルシステム商品を例に話してくれました。
「たとえば漬物。ご存じかと思いますが、市販品で添加物なしのものを探すのは至難の業ともいえる分野です。何しろ野菜に菌を働かせ発酵させて作るわけですから、まさに商品自体が生きものであり、味や色にばらつきが出やすい食品です。そのばらつきをならすために添加物が多用されるんですね」。

これに対し、昨年の11月に発売した『産直野菜で作った白菜漬』は、白菜に、食塩、砂糖、米酢、昆布、唐辛子といったとてもシンプルな原料で作っています。 「当然、お届け日から味が刻々と変わっていきます。だんだんと味がしっかりとしてきて最後はすっぱくなります。そこで、『食べごろ表示』をしました。さっぱりめが好みなら早めに、しっかりめが好みなら少々置いてから食べてください、と。食べものはいつも同じ状態ではありません。食べる側もそのことを理解して、折り合いをつけて受け入れることが大切。そんな視点を入れて作った商品です」。

おなじみの『江戸前あさり(冷凍)』には、伝統的な「腰巻き漁」であさりを獲る漁師の姿をパッケージに描きました。市販されているあさりの3分の2以上は中国などからの輸入品というなか、この商品は東京湾産のあさりを使用しており、原料はパッケージに描かれているような「腰巻き漁」で獲られています。
「かつて東京の下町には“あさり売り”がやってきたり、海沿いにはあさり漁で成り立つ街がたくさんあったそうです。たった一粒のあさりの背景には、人や地域、文化がある。あさりに限らず、そうした物語 をぜひ伝えたいと思っています」。

「手作りしてみたら楽しかった!」体験を大切にした食育の取り組み
▲商品のパッケージからも物語がうかがえる
「食べものの背景にある物語」を知るための最良の方法、それは「自ら作ることに尽きる」という栗田部長。パルシステムが毎年提案している「梅干し」や「味噌」などの保存食づくりがその象徴といえます。
「かといって“手作りしなければいけない”なんて頭ごなしに言っても誰もついてきてくれません。大切なのは“手作りしてみたら楽しかった!”という体験なんです」。

ひとりでも多くの人に、とにかく実践をしてほしいという思いから毎年開催している「手作り梅干し電話相談」も今年は6年目。
「一日中、電話が鳴りっぱなしです。カタログで見て初めて挑戦する方からの問い合わせが多いのですが、電話の向こうで赤ちゃんの泣き声が聞こえたりすると、こちらも涙が出るほどうれしくなります。手作りブームが少しずつ広がっているなぁと実感していますよ」。

パルシステムでは、これからも商品や商品カタログを通じて、一人ひとりのくらしに寄り添った、体験型の食育を展開していきます。

*本ページの内容は2007年8月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

目次へ
第31回へ
第33回へ
このページの上へ戻る