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社会貢献活動レポート

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第12回 廃食油をリサイクルする「菜の花プロジェクト」 「まちなかに油田を!」を合い言葉に廃食油で車を走らせる 社会的責任と生協事業
コープやまなしは、環境問題に対して力を入れ、さまざまな取り組みを行っています。たとえば、生協で初めて配送トラックのLPG化100%を達成したり、風力発電、太陽光発電、雨水利用などにも積極的に取り組んできました。そのコープやまなしが2003年から取り組んでいるのが廃食油を回収して自動車の燃料としてリサイクルするBDF事業です。台所から流せば河川を汚すもとになる廃食油を、燃料代わりに使えるなら、「まちなかはさながら油田」というわけです。廃食油だけでなく、休耕田で菜の花を作り、それを使った廃食油をリサイクルする「菜の花プロジェクト」も動き出しています。


廃食油で車が走った!
田中明雄・コープやまなし環境対策室事務局長
BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)とは、軽油(化石燃料)の代替燃料として植物性の油を原料にしたディーゼル用燃料を言います。廃食油を原料としたBDF燃料は、軽油と比べ、黒煙は三分の一で、小児ぜん息などの原因物質といわれる硫黄酸化物(SOx)をほとんど排出しないなどの特徴があります。そのうえ、可燃ごみとして出される廃食油を回収することでごみ減量にもつながります。
コープやまなしでは98年からBDFに関する情報収集を開始、99年にBDF事業を行っている東京の染谷商店社長・染谷武男さんを講師に学習会を開催しました。この時、廃食油で作ったBDFを持ってきてもらい、実際に自動車を走らせてみたそうです。
話としてはわかるけれど「本当に車が走るのか」と半信半疑だったみんなの前で、天ぷらの臭いの排気ガスを出しながら車が走ったときは「正直びっくりした」と田中明雄・環境対策室事務局長。
2001年には県消費者大会で滋賀県環境生協の藤井絢子理事長が「菜の花プロジェクト」について講演。コープやまなしではBDF研究会を発足させ、導入について検討を始めます。


地域企業と協働で
組合員さんから回収した廃食油
コープやまなしにとって良かったのは、地域の中にBDF導入を考えている企業・フェニックス(株)があり、協力しながら進めていくことができたことかもしれません。コープやまなしとフェニックス(株)は連絡会を作り、情報交流を進めていきます。
2002年、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からコープやまなしへの補助金が決定し、同生協はフェニックス(株)とコラボレーション(協働)事業として業務委託契約を締結。同社にBDFプラントを設置します。2003年5月、プラントが完成し、BDF事業が本格的に稼働します。


回収登録者は約1000名に
廃食油はプラントに入れる前に、ドラム缶にあけて点検します
BDF事業で最も大変なのは廃食油の回収と油の質を確保することです。回収する油は植物油で、ラードなどは固まりやすいので回収しません。
同生協では牛乳パックの回収ルートができ上がっていたので、同じルートで回収することにしました。
廃食油回収に参加する組合員は、まず登録します。廃食油は1・5リットルか2リットルのペットボトルに入れ、名前を書いたシールを貼って出します。「配達の時に回収しますので、きちんと口が閉まってこぼれないこと、透明で油の様子が目で確認できること」「入れてきた容器がごみになるので、なるべく少なくするために大きなペットボトルでまとめて出してもらうようにしています」と田中事務局長。登録者は開始時の03年4月は230名(甲府市のみ)。2004年度末には全センターで1002名となりました。
回収してきた廃食油はセンターでまとめ、ある程度たまったところでフェニックス(株)に回収してもらいます。
フェニックス(株)では廃食油を一度ドラム缶にあけ、それからプラントに入れます。この段階でラードのようにドロドロしていたり、あまり色や臭いが違っている場合はシールの名前を見てお問い合わせすることもあります。


菜の花プロジェクトで地域循環の輪
フェニックス(株)に設置されたBDFプラント
休耕田で菜の花を作り、搾った油を使い、学校給食センターなどで使用した後の廃食油をリサイクルする「菜の花プロジェクト」は滋賀県をはじめ千葉県など各地に広がりを見せています。「地域で作り」「食べ」「リサイクルし」「車を走らせる」というサイクルが、地域循環として回っていくのです。町中の車が天ぷらの臭いをさせながら走っているのを想像するのも愉快です。
しかし、始まったばかりのBDF事業は、回収と利用のバランスをとりながら進んでいかなければなりません。廃食油を出すだけではなく、できたBDFを燃料に車を走らせなくては循環の輪は完成しません。
「例えば学校給食の現場では、回収に出したいと植物油に変えたところもあります。しかし、行政が一台でもいいからBDFを使ってくれないと地域循環になっていかない」と、田中事務局長は行政が参加してくれることが循環させていく上で重要だと考えています。
そして、「これからは、地域をメインにした回収ルートを作っていきたい。そのためには地域から出る廃食油の拠点回収・ステーション回収を進めていきたい」と語ります。
始まって2年目のBDF事業。課題もありますが、未来に向けた明るい希望を秘めながら、「まちなかに油田を!」を合い言葉に、着実な広がりを見せています。
2005年度は、化石燃料の消費抑制をはかり、さらに地球温暖化防止に役立つBDFを使用するためにディーゼル車を導入し、配送トラックや営業車での利用を開始します。自ら所有するBDFプラントで製造したBDFを生活物流で使用する生協はまだコープやまなしだけですが、拡大へ向けて取り組みを進めていこうと燃えています。


*本ページの内容は2005年6月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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