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社会貢献活動レポート

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第1回 生協の町づくり 地域に広がる施設をめざして「いきいきタウンとだ」来春オープン 社会的責任と生協事業
年をとってからの望みは「PPK」だという話を聞いたことがあります。PPKとは「ピンピンコロリ」の略、昨日までピンピンしていてコロリと死にたい、と言うことだそうですが、寝たきりになって惨めな思いをしたくない、家族に迷惑をかけたくないとの切ない思いが垣間見えます。高齢化社会と言われるこの時代、人生最後のステージを人はどこでどんな風に過ごすことが幸せなのでしょうか。そして生協は高齢化社会の中で、地域でどんな役割を担っていくことができるのでしょうか。2003年11月につくられた「社会福祉法人ぱる」が、戸田市より運営を受託した特別養護老人ホーム「いきいきタウンとだ」が2005年4月にオープンします。この「社会福祉法人ぱる」を支援するドゥコープ福祉事業開発グループ・福本京子統括マネジャーと、青柳秀樹専務理事にドゥコープの取り組みをお聞きしました。聞き手はコープニュース記者の上林裕子さんです。
 

公募での「設置・運営」受託は生協が支援する社会福祉法人で初めて
2005年4月にオープンする特別養護老人ホーム「いきいきタウンとだ」は、戸田市が開設する二つ目の特別養護老人ホーム。市は、2001年に建設運営を行う整備法人を公募、全室個室ユニット形式を提案したドゥコープの提案が採用されました。30以上の応募の中で、全室個室はドゥコープだけだったそうです。全国ではコープこうべ、生活クラブ千葉、生活クラブ神奈川、ならコープなど、生協が母体となった社会福祉法人が運営する特養はいくつかありますが、自治体の公募により設置・運営を任される例は初めてのことです。

全室個室とした理由を福本さんは「自分たちが入りたくなるような特養を考えた結果」と話します。施設であってもそれぞれのプライバシーを守り、安全で快適な環境の中で普段どおりの生活を営んでもらうとともに、9人という小さな単位で共同で食事をしたり、元気な人は仕度を手伝ったりなど、個室の孤独感を補う工夫をしています。

また、選考に際して、地域の人々が自由に出入りできる交流スペースを施設内に設けるなどの提案が、生協の活動経験を生かしたものとして評価されました。
「いきいきタウンとだ」完成予想図
「いきいきタウンとだ」完成予想図
特養全室個室(88室)/ショートステイ(20室)/デイサービス1日30名、
他に在宅介護支援センター、訪問介護ステーション、地域交流スペースも併設の予定


ドゥコープの福祉政策

青柳専務理事2000年に介護保険制度が導入されたのをきっかけに、ドゥコープでは同年10月「ドゥコープの福祉事業方針」をまとめ、ドゥコープが行う福祉事業として(1)訪問介護(ホームヘルプサービス)、(2)通所介護(デイケア)、(3)痴呆対応型共同生活(グループホーム)、(4)居宅介護サービス計画の四つの事業に取り組むこととしました。

方針は同年11月理事会で承認されました。理事会はすぐに「福祉事業計画プロジェクト」を設置し、(1)具体的な事業計画、(2)事業を担うしくみと組織のありようを検討。2001年1月15日に事業計画をまとめ答申しました。また、事業を担うしくみ・組織として、税制優遇措置などを考慮し、社会福祉法人による運営を答申しています。この答申によって、ドゥコープの福祉事業計画は本格的に動き出したのですが、介護保険の現状は大きく揺れており、その後、計画の見直しを迫られることとなります。



在宅から施設介護へ
ゴールドプラン、新ゴールドプラン、そしてゴールドプラン21と、介護保険の導入はそれまでの施設介護を見直し、全ての高齢者が住み慣れた地域の中で住み続けるために在宅介護を推し進めることが目標でした。しかし介護保険から一年半でめまぐるしく状況が変わりました。

スタートして一年も経ってみると、地域のニーズは在宅よりも施設にあることがわかってきたのです。2001年の秋以降、ドゥコープは事業の見直しを迫られます。
しかしチャンスはめぐってきました。この年、戸田市が第二特養の建設運営を行う整備法人を公募する、という機会に恵まれたのです。

なぜ生協が福祉に取り組むのか
福祉事業開発グループ 福本統括マネジャーこうした生協の福祉への取り組みに対し、組合員の反応は大きく二つに分かれました。「生協がやるべき」との意見と「なぜ生協が寄付をしてまでやるのか」という二つの意見です。

社会福祉法人は、(1)土地は所有か自治体からの貸与、(2)補助金は出るが運転資金は自前で、というのが条件。「社会福祉法人ぱる」の設立に当たって、ドゥコープは、環境・福祉積立金から一億五千万円を寄付しています。反対する組合員からは「組合員だからと言って(入居に際し)優遇されるわけではない」との声も聞かれました。

福本さんは「福祉事業方針」の中で次のように述べています。「生協ドゥコープは相互扶助組織として発展してきました。その時代その時代の切実な要望・要求を実現する組織として存在してきました。それは戦後の物資不足の時の町内会生協における食料の調達、70年代以降の食品添加物の不安に対し安全性をテーマにした時代、産直をテーマにした時代などです。それは生活課題全般に取り組み、協同の力で解決に向かうということでした。いま、急速に進む高齢化社会を迎え、高齢者介護をはじめとした福祉のあり方や、お互いに支え合う社会の仕組みが問われています。人が最後まで自分らしく暮らしていける工夫を、生協は高齢化社会の一員として暮らしの側からの取り組みが必要と考えます。地域で暮らす誰もが活き活きと自分らしく暮らし続ける、それが自分たちの町の町づくりです。生協とは町づくりと考えるからです。」

青柳専務は「厚労省も福祉に関しては員外利用を認めています。組合員以外に対しても生協の良いところを発揮して福祉に関わってほしいと考えているからであり、生協の社会的スタンスがそうした領域に入ってきているのだと思います。生協という組織が生活者や社会にどう貢献できるか、福祉が生協の事業として加わってくることを組合員に伝え、論議を尽くしていくことが、生協の将来に関わってくることだと思います」と語ります。

福本さんは、「実際に在宅介護を担っている人は、近所の理解や協力があって初めてやっていける。生協だけではやれない。いろいろな人、ボランティアの協力が必要です。定員がありますからすべての人が入居できないことも確かにありますが、そこを拠点として地域づくりをしていくことを考えています。良い事例が地域にできることで、全体のレベルが上がっていくといい」と考えています。

ドゥコープの職員は、福祉への取り組みをどう考えているのでしょうか。「地域貢献という受け止め方には濃淡がありますが、ドゥコープが正面切って福祉に取り組む、という認識は持ってくれています」と青柳専務は語ります。

夢はふくらむ
「地域づくりのモデルをつくりたい。そのモデルを社会福祉法人の力量に合わせて広げていく。そのためには、福祉の複眼的なスタンスを持つことが基本。生協の今後の事業のあり方として、生協としてやれないものを、例えば社会福祉法人のような違うチャネルと協同していくことが考えられます。また、組合員活動としての「助け合いの会」と事業としての社会福祉法人がコラボレートするところが出てくるのでは」(青柳専務)。

「地域貢献というとおこがましい気もするが、要するに自分たちが暮らしやすい地域社会をつくること。そのためには生協にこだわらなくても良いと思う。でも、生協にはたくさんの蓄積があるので提案できることはたくさんある」「『願い続ければ実現する』というのが実感。生協以外の人とどれだけ人のつながりができるかが大事」(福本さん)。

「いきいきタウンとだ」は、長い時間とたくさんの議論を積み重ね、みんなの想いや願いが結集して実現しました。「交流スペースで子育て支援の取り組みをしたら入居者との交流ができるね。」「入居者や地域の皆さんの手作り品の即売会は?」などなど、話しだすと夢は広がる一方です。地域に暮らす皆さんとのコラボレーションなど、たくさんの可能性をもった「いきいきタウンとだ」は、2005年4月のオープンに向けて順調に工事が進んでいます。


*本ページの内容は2004年5月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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